母が最期に欲したのはポテチだった。ごく普通の大学生だった山田真愛がヘルスケア起業家になったワケ−−JOBS CAMP卒業生インタビュー #3
Interview 2021/08/02
U23若手起業家育成プログラム『JOBS CAMP』卒業生インタビュー第3弾!
今回のゲストは、2021年3月に株式会社My Fit を創業、「最適化した食と健康で人の健康寿命の延命に貢献」することを目指し、パーソナライズプロテイン『My Fit!』の開発・販売に奮闘するかたわら、東京大学院で研究員としても活動している、山田 真愛さんです。
ポテトチップス。それは、10年もの闘病生活の末天国へ旅立った山田さんのお母さんが最期に望んだ食べ物でした。健康的な食生活の重要性に気づいた山田さんは、食品メーカーの研究員として就職し、健康食品を開発しようと思い立ちます。
自身のことを「ごく普通の大学生だった」と語る彼女。入社1ヶ月前に内定先を辞退し、起業に踏み切った山田さんの心の変化とは。
山田さんが人生において大切にしていることを伺いました。
U23若手起業家育成プログラム『JOBS CAMP』とは
キャリア教育支援事業『BEYOND CAFE』を運営し、累計6万人の学生をサポートする株式会社Beyond Cafeと株式会社サイバーエージェント・キャピタルが2020年8月に立ち上げた若手起業家育成プログラム。
未来の日本を牽引する起業家を輩出するために、U23の学生を対象にU30の若手起業家がメンターとなり、2ヶ月間のワークショップを行います。
▼過去メンター(※一部抜粋)
株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺さん
株式会社POL 代表取締役 加茂倫明さん
株式会社MiL 代表取締役CEO 杉岡侑也さん
▼第4期生募集中!
2021年12月24日(金)〜2022年1月21日(金)
※スケジュールは予告なく変更となる場合がございます
※応募多数につき予定を繰り上げて応募〆切とさせていただく場合がございます
※エントリーは下記公式サイトから
これまでの経歴を含め、自己紹介をお願いします。
株式会社My Fit 代表の山田真愛(ヤマダマナミ)です。
大学3年生の初めまで「起業」の「き」の字もわかっていなかったほど、ビジネスとは無関係の生活を送っていました。とある理由をきっかけに参加した海外インターンシップを通して生活が一変。「新卒で就職し、3年で成長してから起業しよう」と思い、就職先が決まった後、将来的な起業を見越してJOBS CAMPに参加しました。
JOBS CAMP参加を通して起業に対する意識が変わり、学生生活最後に大きな挑戦をしようと決意。事業案ゼロの状態から4ヶ月後にクラウドファンディングを実施し、目標金額を達成することができました。これらの経験を通して「起業を3年後に先延ばしする必要があるのか」自問自答し、大学4年の3月に内定先を辞退。同月末に起業しました。
現在は、個々の体質・生活習慣・目標に合わせたパーソナライズプロテイン『My Fit!』の開発・販売に取り組みつつ、東京大学院の研究員としても活動。研究の学びを自身の事業に活かしています。
本日はよろしくお願いします!
▼山田さんが起業するまでの流れ
- 大学3年生
- 平凡な日々から脱するため、海外インターンシップへ挑戦株式会社フジテレビラボ
- 帰国後、長期インターンシップを始めるかたわら、友人5人と新卒学生向けの就活イベントを開催。ゼロから企画し、利益を創出
- 大学3年生:12月
- 就活を開始
- 大学3年生:3月
- 内定が決まる
- 大学4年生:夏頃
- 起業家インタビューYouTube『起業のリアルちゃんねる』スタート
- 大学4年生:8月
- JOBS CAMP参加
- 大学4年生:12月
- JOBS CAMP卒業後、1ヶ月間の低迷期を経てクラウドファンディングへの挑戦を決意
- 大学4年生:2月
- クラウドファンディング実施。開始から1週間で目標金額を達成
- 大学4年生:3月
- 内定先を辞退。同月末に登記
泣きながらポテチを買いに行ったあの日。食と健康に目覚めた
なんと、会社経営と学業の二足のわらじを履いていらっしゃるんですね!
そうなんです!でも、起業当時から大学院での研究活動を意識していたわけではないんですよ。
何がきっかけとなって大学院へ……?
2021年3月末に株式会社My Fitを創業し、東京大学の教授に事業のアドバイザーをお願いしに伺ったことがきっかけです。
起業したばかりの頃、事業推進のために科学的な知見を得ている方の意見がほしいと思い、気になる論文を執筆されていた東京大学の教授に会いに伺ったんです。いろいろとお話しさせていただいたところ「うちで研究しながらビジネスもやってみる?」とおっしゃっていただいて。
やりたい事業が先にあって、その事業に活かす研究をするために大学院へ進学した、というちょっと変わった流れでご縁が繋がりました。
そうだったんですね!山田さんの自己紹介を伺っていると、大学3年生頃を境に人生が大きく変化しているように見えます。
そうですね!
大学2年生まではビジネスとは全く無関係の生活を送っていて、研究ばかりしていました。
どのような研究をされていたのでしょうか。
東京農工大学で生命工学やライフサイエンスを専攻していました。大学2年生時の将来の夢は、食品メーカーの研究職だったほど。高校生の頃から「食と健康」の分野に興味があり、健康食品の研究開発をしたいと思っていました。
食と健康に興味を持たれた背景が気になります。
高校生の時、母をガンで亡くしました。10年間という長い闘病生活を経て旅立ったため、日に日に母が弱っていく姿をずっと近くで見ていたんです。もうほとんど食事が喉を通らなくなり、死が近づいていたある日のこと。母が、こう話しかけてきました。
「ポテチが食べたい。買ってきて。」
「そんなの食べたら死んじゃうよ!身体によくないよ!」と反射的に言いました。それでも母は「いいから買ってきてほしい」と……。私は「よりにもよってなんで最期に食べたいものがポテチなの」と、泣きながら買いに行ったんです。
そんなことが……。
ポテトチップスを食べている母を見たとき、何も食べられなくなるであろう死の間際でさえも、人の脳はうま味調味料に支配されてしまうこともあるんだと実感しました。その時は、直感的に化学調味料=悪と思ってしまっていましたが、添加物や食に興味を抱くきっかけになった瞬間でしたね。
その後、母だけでなく私自身も不健康な食生活で身体を壊す経験が積み重なり、食は健康に直結すると改めて感じました。食が健康を作っているなら、私は人々が健康な食事をもっと手に取りやすい社会にしたい。そう思うようになったんです。
お母さんの死をきっかけに、山田さんの「やりたいこと」が見えてきたんですね。ですが、この頃はまだ起業しようとは思っていなかったと。
はい。「起業という選択肢を知らなかった」と言った方が正しいかもしれません。
幼い頃から新しいものを作ることが好きだったので、漠然と新規事業という言葉には興味を持っていました。「こういうモノがあったらいいのに」「こういう世界にしていきたい」「こういう商品を作っていきたい」と高校生の頃から思ってはいたものの、起業という考えには至らなかったですね。
「このまま腐りたくない」平凡な日々から脱するために海外へ
そんな山田さんが、何をきっかけにビジネスの世界へ足を踏み入れるようになったのでしょうか。
大学3年生の初め頃、ふと大学生活を振り返ってみたんです。過ごした日々があまりに平坦すぎて、このまま同じ生活を送っていたら腐ってしまう、と強い危機を感じました。実は、高校生の頃は全国大会優勝の体育会系の部活で毎日のように練習に明け暮れていたんです。それが大学に入学した途端、まるでぬるま湯に浸かっているような生活になって。
何も頑張っていない私のままでいるのが嫌で何かしたいと思った時、海外インターンシップの存在を知りました。
なるほど。「現状を変えたい」想いがあったんですね。海外ではどんなことをされていましたか。
ベトナムに2週間滞在し、バインミー屋さんの営業利益をあげるべく、ゼロから企画・営業・販売・商品化する過程を全て体験できる新規事業立案系の海外インターンシップをしました。すごく熱い日々でしたね。必死になって自らの手で形にする経験を通して、「私ってこういう環境が好きだったな」と思い出しました。と同時に、自分のやりたいことに対してがむしゃらに、一生懸命になれていない当時の自分に劣等感を感じて。
私が作ったバインミーを笑顔で食べてくれるお客さんの姿を初めて目にした時、それはそれは嬉しくて……!生きがいになると思いました。インターンシップに参加する前は食品メーカーの研究員になろうと思っていましたが、この経験を通して研究職以外の働き方にも興味を持つようになりました。
新たな挑戦を通して一気に視野が広がった印象を受けます!帰国後、ご自身の行動や考え方に変化はありましたか。
大きく変わりました!
まず、積極的に私の夢を外部へ発信すよるようになりました。いろいろな方に「私、こんなことをしたいと思っているんです」と言って回っていましたね。すると、それまで繋がりのなかった社会人と知り合う機会が増えるように。
また、学生団体のような形式で就活イベントを友人5名と企画し、売り上げを作る経験もしました。
なんと!早速、ゼロから創り出すことに自ら挑戦されたんですね!
はい!海外インターンも商品を自ら企画し、販売したという意味ではゼロから創り出したといえるかもしれませんが、すでに存在するプログラムに参加させていただいたので、完全なるゼロから基盤を創ったとは言い難い。そこで、何もない状態から一つひとつ積み上げる経験を積みたいと思ったんです。当時はまだ学生だったので、コネクションを広げやすい人材ビジネスに焦点を当てた結果、就活イベントの開催に至りました。
積極的な発信、そして事業開発の経験を通して気づいたことはありますか。
「やりたいことでなければ本当のやりがいには繋がらない」と気づきました。
就活イベントを主催していた頃は、大学の講義の合間にテレアポをして、営業のためにスーツで登校していた日もあって(笑)。やらされているのではなく好きでやっていることだったので、すごく楽しかったんです。初めて法人営業に挑戦したことで自信もつきました。
でも、案件を獲得して売上に貢献できたとしても最後まで強いやりがいには繋がらなかったんです。やっぱり私は食と健康に興味があるんだと再認識しましたね。
行動に起こしたからこそ、ご自身の興味分野を再確認することができたんですね。学生団体とはいえゼロから利益を生み出す経験を通して、それまで思い描いていたキャリア選択にも変化はありましたか。
大学3年の終わり頃だったでしょうか、少しずつ起業に興味が湧いてきました。小規模ながら事業作りに携わったことで、私の中の起業に対するハードルが下がったんです。ですが、仮に起業できたとしても、どうしたら永続的な事業を創れるのかは全くわからなかった。
そこで、今すぐ起業するのではなく「一度就職して3年後に起業しよう」と考え、大学3年生の12月頃に就活を始めました。この時は就職を起業までの修行期間と位置付けていましたが、今思えば「就職から3年後」という数字に根拠はありませんでしたね(笑)。
将来的な起業を見据えた就活をされていたんですね!
はい。就職先を選ぶ上で大切にしていたポイントは、「新規事業に積極的に挑戦できる環境であること」「圧倒的なスピード感で成長しているベンチャー企業であること」の2点でした。大学4年生の3月に内定をいただき、就職が決まりました。
起業の概念を覆されたJOBS CAMPへの挑戦
就活を終え、3年後の起業を目指して残りの学生生活をどのように過ごすか考えていたという山田さん。JOBS CAMPはどこで知ったのでしょうか。
たまたまTwitterで見つけました!
実は私、就活を終えた直後から起業家へインタビューするYouTubeチャンネル『起業のリアルちゃんねる』を作って動画配信をしていて。起業家に関する情報を調べていた時にJOBS CAMPを目にしたんです。
YouTubeもしているんですか!
はい(笑)。起業に興味を持ったはいいものの、何から手をつけたらいいのか全くわからなくて……。当時、私の周りには起業を考えている人がいなかったので、よく巷で耳にする「成長ベンチャーで3年働いてから起業する」道しか思い浮かばなかったんです。
そこで、活躍している起業家に、起業のきっかけや事業の進め方を聞いてみようと思いました。せっかくなら、私と同じように起業家の話を聞きたいと思っている人にも届く形でコンテンツ化したらいいのでは?と思い、YouTubeを始めました。
JOBS CAMPを見つけた時も、起業家にインタビューをしたいと思っていつものように調べていたら、たまたま見つけたんですよ。
偶然の出会いだったんですね。JOBS CAMPの参加の決め手はなんですか?
プログラム内容に惚れましたね!7名もの起業家の話をたっぷり聞くことができるチャンスは、そうそうないと思うので。しかも、JOBS CAMPの場合は起業のためのノウハウだけでなく、登壇する起業家が起業するまでのストーリーもご本人から聞くことができるんです。
また、JOBS CAMPは23歳以下しか申し込めないのですが、当時の私の年齢を考えると、これが最後のチャンスかもしれないと思ったことも決め手になりました。
たしかに、山田さんが挑戦されている「起業家インタビュー」にも繋がりますね!JOBS CAMP1期生として参加された山田さんですが、正直、参加に対する不安はありませんでしたか?
一切なかったですね。HPを見た瞬間に応募していました(笑)。
私は、新しいことに挑戦する心理的ハードルが低いんだと思います。興味があることは、躊躇せずにまずやってみる。JOBS CAMPは選考に受かった人しか受講できないのですが、正直受かる自信はありませんでした。それでも、挑戦したい気持ちが揺らぐことはありませんでしたね。
JOBS CAMPへの参加を通して、最も印象に残ったことを教えてください。
全てのワークショップが終わった瞬間に抱いた感情は、今でも忘れられません。起業の概念を覆されましたね。
と言いますと?
JOBS CAMPに参加する前まで、起業家は私にとってキラキラしたかっこいい存在だったんです。夢の実現に向けて一歩一歩進む過程は地道だと想像しつつも、起業家のSNS投稿を見ているとやっぱりキラキラして見えて。
JOBS CAMPでは起業家の皆さんの失敗談を知れるので、当時の私の人生では経験し得ないことばかりされてきているんだと衝撃を受けました。人生の深さが違うな、と。先人の失敗談から教訓を得られたことで、起業の捉え方が変化しましたね。
講師として登壇する起業家の発言の中で、最も印象に残っているものはありますか?
「起業は99%が辛いこと。楽しいことは1%しかない。」
この言葉が強烈に印象に残っています。そして、実際に起業したことで改めてこの言葉の重みを痛感しています。
JOBS CAMP参加中の学びの中でも、山田さんの現在に活きている学びはありますか?
プライシングスタジオ株式会社の高橋代表の「可愛がられる方」にまつわる講義がすごく参考になりました!
起業家の卵でしかない私たちって、周囲の人からしたら「何者でもない」んです。例えば、起業家の先輩と話をしたいと思ったとします。ですが、お相手からすれば何者でもない私のために時間を割くメリットはないですよね。
たしかに……。
だからこそ、お相手に可愛がっていただける存在になることがすごく重要なんです。そのためにはどうしたらいいのか、多くの手法を教えていただきました。起業家である前に、一人の人間として人間関係の築き方を知りました。
起業家・山田真愛の誕生。挑戦せずして得られるものは何もない
株式会社My Fitを創業するに至った経緯を教えてください。
JOBS CAMP卒業後、実は1ヶ月程度の低迷期を過ごしました。
約2ヶ月間のワークショップを通してたくさんの刺激を受け、大量のインプットを得ることができました。と同時に、起業はそう簡単に取り組めるものではないことも知りました。「食と健康」から世の中を変えたい、けれど具体的な商材を持ち合わせていなかった私は、起業に向けた次のステップとして何が相応しいのかわからなくなってしまったんです。
その状態からどうやって抜け出したのでしょうか。
食と健康にまつわる海外事例をひたすら必死で調べました。知識や情報は増えるけれど、これといってピント来なくて、自信なくて、どうしたらいいかわからなくて……の繰り返し。たくさんの方に相談させていただきました。
実現したい夢があるのに、それに向かって何もできていない期間を過ごすことは情けないと思っていたので、「今の私にできること」を一つひとつこなしていました。そんな時、当時の状況を相談した方に言われた一言で一気に目が覚めたんです。
どのような一言だったのでしょう。
「誰だってまだトライしていないことは不安だよ。何も挑戦しないままずっと不安がっててどうするの?そんな状態で本当に起業なんてできるの?」
「たしかにそうだ」とハッとしました。JOBS CAMPを卒業して1ヶ月。夢の実現に向けて着実に歩みを進める同期の姿を目にする中で、「このままじゃだめだ。みんなが頑張っているんだから私も頑張ろう」と心に決めたんです。
こうして、1ヶ月間の低迷期を経て、大学4年生の12月初旬頃に本格的に事業案を考え始めました。
心に刺さる言葉ですね。卒業してなお、同期の繋がりが保たれ続けているところも印象的です。いざ事業案を考え始めた山田さんですが、どのようなアイディアが出てきましたか。
現在販売している『My Fit!』の前身となる、パーソナライズプロテイン『Health Drink』を思いつきました!そして、まずは商品アイディアを形にするための資金を調達しようと思い、人生で初めてクラウドファンディングへの挑戦を決めました。
人生初とは思い切りましたね!
大学生生活が終盤に差し掛かっているというのに、自分がやりたいことに向けて何も行動できていない日々。こんな状態じゃ、きっと将来も「入社から3年後の起業」という言葉に甘えて挑戦を先延ばしにしてしまうだろう、と危機感を覚えたんです。学生生活を悔いの残る形で終えたくない、本当にやりたいことをやろう、と。
ですが、この時すでに大学卒業まであと4ヶ月。ゆっくりしている時間はありません。2ヶ月後の2021年2月にクラウドファンディングを実施しようと腹をくくりました。
事業案を考え続けていた中、パーソナライズプロテインに決めた理由はなんだったのでしょうか。
3点あります。
1点目は、食と健康にまつわるモノだから。2点目は、私がジムで働いている経験から、どんな種類のプロテインを選べばよいのかわからないと悩んでいる顧客が多い商材だったから。3点目は、海外でプロテインのパーソナライズ化が進んでいる事実があり、日米の市場感を見ると日本にも取り入れられそうだったから、です。日本のマーケット規模はアメリカに劣りますが、今後間違いなく伸びる市場だと判断しました。
また、株式会社My Fitを創業する前に、男性が女性用プロテインを恥ずかしそうに買っていく姿を見かけたことも事業化の後押しになりましたね。本来、プロテインには女性用、男性用といったくくりはありません。「とりあえずプロテインを飲んでおけば健康になれる気がする」という社会の風潮にも、どことなく違和感を感じていました。
ユーザーヒアリングを実施した結果、「いつプロテインを飲めばいいの?」「どのプロテインが自分に合っているの?」といった課題を持っている人が一定数いるとわかり、事例などを調べに調べて事業案を定めました。
しかし、事業の考案からクラウドファンディング開始までわずか2ヶ月。かなりバタバタだったのでは……?
大変でした(笑)。でも、「期間が短い・時間がない」は一切言い訳にならないとJOBS CAMPの講師の方々から強く学んでいたので、とにかくやってみないことには何も得られるものはないと思って走り切りました。
きっと、これまでの私だったら「やり方がわからない」を理由に先延ばしにしていたと思うんです。ですが、JOBS CAMPの講師の方々と出会って起業家としての本気度を感じました。常に旗を掲げ、夢の実現を目指してひたすらに走り続けている姿……。
今やっていることが本気でやりたいことなら期限までに商品を開発すればいい。人手が足りないなら人を巻き込めばいい。そう思ったら、自然と足が動き出していました。
やってみないことには始まらない、と。
そうですね。商品開発が間に合うか、そもそもできるのかすらわからなかった。それでも、やることに意味があると信じていました。「まず行動」を心がけて一歩を踏み出せたのはJOBS CAMPのおかげだと思っています。
初挑戦のクラウドファンディングも無事に成功!この時はまだ春からの就職を予定されていたと思いますが、ここからどのような動きがあったのでしょう?
ありがたいことに私たちの活動がとある投資家の方の目に留まり、クラウドファンディングの目標金額達成と同時に「会社を創ってみたら?」と言っていただきました。やりたいことを形にできつつある自分と、3年後の起業を見据えて就職しようとしているもう1人の自分……。
どちらを選ぶか悩みましたが、夢の実現を先延ばしにする必要はないと思い、3月初旬に内定先を辞退。同月末に起業しました。
更なる高みを目指して。食と健康から人々の人生を支え続ける
新たなキャリア選択をされた山田さんですが、今月(2021年7月現在)、次なる決断をされたと伺いました!
そうなんです!
『My Fit!』のβ版を正式にリリースしました!初期の商品から改良を重ねてバージョンアップ。サブスクで購入いただくことができるようになったので、これまで以上に手に取りやすさを感じていただけたら嬉しいです。
おめでとうございます!クラウドファンディング挑戦から約4ヶ月。今回のリリースにはどんな想いが込められているのでしょうか。
私は、「最適化した食と健康で人の健康寿命の延命に貢献したい」と思っています。『My Fit!』を選んで買ってくださった方の人生が、より幸せになるような商品を作る覚悟を示しました。
正直、クラウドファンディングに挑戦した頃は、モチベーションの矢印が全て自分に向いていたんですよね。
「矢印が自分に向いていた」とは?
「このクラウドファンディングを成功させたい」とか「なんとか事業にしたい」とか、そんな気持ちが先走っていたように思います。
クラウドファンディング後、支援してくださった方一人ひとりにたくさんヒアリングさせていただきました。約1ヶ月間、ひたすらお客さんの声と向き合った期間を通して、「買ってくださる方に喜んでいただける商品を作りたい」という使命感が生まれてきたんです。
未来へ向けて果敢に挑戦し続ける山田さんが大切にしている考え方や指針はありますか?
「やらない後悔よりやる後悔」。この言葉を最も大切にしています。
私、やって後悔したことってほとんどないんです。誰しも初めの一歩はすごく大きくて勇気がいると思うけれど、その一歩を踏み出した瞬間に景色が変わるんですよね。やればやるほど成長の幅も広がる。
何をやるにせよ「私にはできない」と思わず、恐れずに挑戦することを心がけています。
JOBS CAMPの未来の後輩へ一言メッセージをお願いします。
私は大学2年生まで、いわゆる「普通の大学生」でした。たしかに、やりたいことに対する想いが人より強かったかもしれませんが、長期インターンをたくさん経験したり、ビジネスコンテストの参加経験があったりしたわけではありません。
だからこそ伝えたいのは、なんとなく現状に納得していない・モヤモヤしている方は、今の環境を積極的に変え、付き合う人を変えてみてください。アメリカの有名な起業家ジムローンはこう言っています。
「あなたの周りの5人の平均があなたである」
今いる環境を変えることは、自分自身が大きく成長するためのひとつの要素だと思います。「私には何もない」と思っている方も、世の中のほとんどの人も「自分には何もない」と思っています。だからこそ、一歩を踏み出してほしいなと思います。
本日はありがとうございました!山田さんのさらなる挑戦を応援しています!
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