まだ誰も考えていないことを実現したい。普通の浪人生だった生塩遥花が、「日本を世界の四次元ポケットにする」ために起業を志した理由とはーーJOBS CAMP卒業生インタビュー #11

Interview 2023/08/02

U23若手起業家育成プログラム「JOBS CAMP」卒業生インタビュー第11弾!

今回のゲストは、和歌山大学4年生で、2023年7月にYOJIGEN株式会社を設立したばかりの生塩遥花さん。外国人観光客向けのサービス「Ninjya-porter」を立ち上げ中です。

生塩 遥花さん(Haruka Oshio)

和歌山大学4年生・YOJIGEN株式会社 代表取締役社長

JOBS CAMP4期生

和歌山大学4年生。2度の浪人を経て、大学入学時から学生起業家を目指して活動。起業関連イベントに参加する中でスタートアップへの関心が高まり、事業開発フローを起業家の近くで学んだり、実際に事業開発をやってみようとアイデアを考えたりしたものの、プレゼンの機会などで何度も失敗。

一度は学生起業を諦めかけたものの、やはりスタートアップの世界が好きという気持ちに気づき、再度挑戦することに。まずはスタートアップ企業での長期インターンをする中で事業や組織の動きを学び、その中で物流の課題を解決したいという思いが芽生えたため、サービスを立ち上げ中。現在、ニーズ検証を進めている。

生塩さんが起業したいと考えるようになった背景には、「友達にサプライズをするのが好き」という気持ちがありました。今までにない方法で、相手が望んでいたことを実現し、喜ばせる。大好きなサプライズの延長線上に、「世界を驚かせるようなサービスを作る」という夢ができたのです。

生塩さんが起業をするまでの道のりや、JOBS CAMPで得られたものとは。仲間を大事にしながら進み続ける生塩さんの挑戦について、お話を伺いました。


U23若手起業家育成プログラム『JOBS CAMP』とは

パーソナルキャリアデザインサービス『BEYOND CAFE』を運営し、累計6万人の学生をサポートする株式会社Beyond Cafeと株式会社サイバーエージェント・キャピタルが2020年8月に立ち上げた若手起業家育成プログラム。

未来の日本を牽引する起業家を輩出するために、U23の学生を対象にU30の若手起業家がメンターとなり、2ヶ月間のワークショップを行います。

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▼過去メンター(※一部抜粋)
株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺さん
株式会社POL 代表取締役 加茂倫明さん
株式会社MiL 代表取締役CEO 杉岡侑也さん

▼第7期生募集中!
募集期間:2023年7月4日(火)〜2023年8月11日(金)
開催期間:2023年8月30日(水)〜2023年10月28日(土)
※スケジュールは予告なく変更となる場合がございます
※応募多数につき予定を繰り上げて応募〆切とさせていただく場合がございます
※エントリーは下記公式サイトから


これまでの経歴を含め、自己紹介をお願いします。

和歌山大学4年生、YOJIGEN株式会社代表の生塩遥花です。

私は大学に入る前、2年間浪人していました。2回目の浪人中ににふと立ち止まり、「私がこの先やりたいことってなんなんだろう?」と考える時間があったんです。高校の頃に少しビジネスに興味を持ったものの、将来の夢を当時は全く持っていなくて。

たまたま浪人中に将来のことを考えていたタイミングで、起業家を題材にしたテレビ番組を見たことがきっかけとなり、私も将来はビジネスや起業をしたいと考えるようになりました。

大学入学時は、漠然としてはいるものの、起業したい、大きいことをやりたいという決意はありました。その決意をもとに、まずは多くの起業関連イベントに参加。

「そもそも起業って何?」という何も知らない状態からとりあえず行動し、人脈を広げたり、インターンを数社で経験したりしました。その中で、どんな分野で起業するかや、起業するならスタートアップがいいなど、考えがまとまっていったんです。

現在は、スタートアップで世界に届くようなサービスを作りたいと考えています。2022年末頃から事業計画を練って起業準備を始め、今もサービスの開発を進めています。

まだ誰も考えていないことを実現し、新しい市場をつくりたい

具体的には、どんなサービスを開発されているんですか?

「Ninjya-porter」という海外からの観光客向けのサービスで、彼らの荷物を、誰かがある場所からある場所に運ぶというものです。Uber Eatsの荷物バージョンといったイメージです。

赤の他人の荷物を個人が運ぶことは、今まではありえないことでしたが、荷物を運んでほしい人と運ぶ人とのマッチングをオンライン上でできるようにしたいと考えています。荷物を運んでほしい観光客が、アプリ上で誰かに荷物を運んでもらう予約を取れるような形です。

「Ninjya-porter」のビジネスモデル相関図

現在サービス開発中で、検証のためにまずは少人数に使ってもらおうと考えています。

なぜ、観光客向けに荷物の課題を解決するサービスを開発しようと思われたのでしょうか。

日本発の新サービスとして成功事例になり、海外の方に「面白い」「真似したい」と思ってほしい、そのために海外でも展開可能なサービスを作りたいと思ったからです。

私は、「日本が世界の四次元ポケットになる」ような世界を最終的に叶えたいという軸を持っています。その軸から、設立したばかりの会社の名前は「YOJIGEN株式会社」にしました。

現在、日本にいる私たちが使っているサービスって、海外で作られたものが多いじゃないですか。Googleなど、有名で身近なサービスは海外産のものばかりですし、スタートアップの事業案を考えるときは、「海外の成功事例を日本の市場に合わせて取り入れよう」といった話を頻繁に耳にします。

海外の成功事例を取り入れると成功しやすいこと自体は理解できますが、海外からの輸入ではなく、「日本にいる自分達が起点になって、市場を開拓していく」というフェーズから挑戦していきたいんです。私こそが、日本のスタートアップやサービス作りの現状を打破したいと考えています。

将来的には、海外の人がサービスを作りたいと思ったときに、日本のサービスをまず調べるようになっていて、「日本ってすごく面白い!」と思われるようになったらいいなと思っています。

そう考える背景としては、もともと日本が好きという気持ちをお持ちだったのでしょうか。

それもありますが、「新しい市場を自分でつくりたいんだ!」と思う気持ちの方が強いですね。

誰にも思いつかないことや、こんなものがあったらいいと思っても諦めてしまうことってあるじゃないですか。例えば「どこでもドア」が欲しいと思ったとしても、「時空を歪めることなんてできないから、そんなのできなくても仕方ないでしょ」と考えるはず。だからこそ、そもそも「どこでもドア」が欲しいなんて誰も本気で思っておらず、市場も存在しないんです。

でも私は、「そんなことできないでしょ」と思うような部分を追求していくことで、新たな市場をつくれると思っています。もし「どこでもドア」に近い商品を開発して売り出したら、「どこでもドア」が欲しい人の市場もできると思いました。

私はまだ解決されていないことを解決したい、まだ誰も考えていないことを実現したいという思いがすごく強いんです。参考にする事例が日本のものではないことへの違和感も相まって、「日本が世界の四次元ポケットになる」という軸に行き着きました。

なるほど、誰も思いつかないような新しいことをやりたいという思いが強いんですね。

はい。なぜ旅行客の荷物に関するサービスを作っているかの話に戻ると、海外の人に面白いと思ってもらうために、海外にも展開できるビジネスにしようとまず考えました。

その考えから、海外に出ていくためには、日本の中がもっと元気になる必要がある、そのためには地方や都市などの場所ごとに元気になる必要がある……と順番に考えていきました。

地方や都市が元気になるには、そこに外からお金がたくさん入ってくる仕組みが必要。じゃあ、海外からの観光客にたくさんお金を使ってもらうためにはどうしたらいいか、彼らが積極的に観光するのを妨げている課題はなんなのかと考え、外国人観光客にヒアリングしてみたんです。

関西国際空港に行ってみて、私は英語をあまり話せないので、こんなフリップを作って、ノートに回答を書いてもらって。本当にたくさんの人に声をかけましたね。

その結果、大きい荷物が邪魔だったり、荷物を持って移動するだけで疲れてしまったり、荷物のせいで観光する元気がなくなってしまうという声が多かったんです。なので、外国人観光客の荷物の課題を解決するサービスをやることにしました。

大好きな「サプライズ」の延長線上に「起業」があった

「日本が世界の四次元ポケットになる」という理想像がサービスの起点になっているんですね。ちなみに、誰もやっていない新しいことをしたり、アイデアを考えたりするのが昔から好きだったのでしょうか?

近しい文脈で、友達にサプライズをするのが大好きでした!高校生の頃、「サプライズをしよう!」と仲間を集めて、みんなで考えたりものを作ったりして、友達を驚かせることが楽しくて、よくやっていました。

高校生時代の生塩さん(右)

その人が全く想定していないこと、かつその人が本当に求めていたことをサプライズでやったら、すごくびっくりしてくれたり、涙を流して喜んでくれたりして。そのときの感覚が忘れられなくて、サプライズが好きなんです。

サプライズを言い換えると、「実は相手が欲しいと思っていたけれどもまだ存在しなかったものを、今までにない驚くような形で提供したことで、喜んでもらえる」こと。それって、サービス作りと似ているんです。

漠然と、「サプライズとビジネスって似ているな」、「何か人が喜ぶ大きいことがしたい」と思うようになったのは、高校生の頃でした。サプライズをどんどん派手にしたくなり、その延長線上で、次は誰もやっていなかったサービスを作りたい、世界に届くくらい大きなことをしたいという夢に行きつきましたね。

サプライズと起業に通じるところがあるという考え方こそ斬新ですね!冒頭のお話によると、起業を本格的に意識するようになったのは浪人中だったそうですが、それ以前は2浪してでも叶えたい目標が別にあったのでしょうか。

いえ、正直全くありませんでした。結果的に和歌山大学に進学を決めたのですが、浪人当時はずっと神戸大学を目指していました。神戸大学に行きたかったのは、神戸という街にキラキラしているイメージがあって、憧れていたというだけなんです(笑)。

2浪したということは、神戸大学に強いこだわりがあったのかと思ったのですが、そうではないんですね。長い浪人生活は苦しいことも多いと思いますが、そこまで頑張る原動力はなんだったのでしょうか。

そう思いますよね。私も不思議なのですが、謎のエンジンがあるみたいで。なんでもやってみればできると思っていますし、後悔することを恐れているんです。だから、目標を達成したときの自分を想像して、目の前のことをとにかく頑張ろうと走り続けられるんだと思います。

一度神戸大学を受けると決めたらやり遂げたかったし、後悔のない受験生活を送りたいと思い、浪人中はとにかく勉強に打ち込んでいました。

浪人時代の生塩さん

センター試験当日と同じような生活リズムを心がけ、2時間勉強して5分おにぎりを食べる休憩を取るというサイクルを繰り返していました。友達からの連絡が気になったり、遊びに行きたくなったりしてしまうので、ケータイも解約したんです。

浪人中、ふと立ち止まったときに見つけた新しいゴール

ただ志望校合格だけを見据えて勉強に打ち込んでいた浪人中、起業しようと思うに至ったきっかけはなんでしたか?

ふと立ち止まるタイミングが訪れたんです。振り返ってみたときに、「なんのために2回も浪人して、ずっと受験勉強ばかりやっているんだろう」と思ってしまったんですよね。

高校の同級生は大学生活を楽しんでいる一方で、なんで私は、特に思い入れもなく選んだ志望校に受かるために、2浪しているんだろうと思ってしまって。

また、サプライズとビジネスは似ているとぼんやり思っていたものの、私は将来、具体的にどんな仕事をするかのイメージまでは全く持てていなかったんです。漠然と大学に通うことをゴールと捉えていた当時は、そのゴールしか見ないようにして、もっと先の将来が見えていない不安から逃げていたように思います。

ずっと突き進んでいた状態からふと立ち止まったときに、頑張る意義を見失ってしまって、目標を設定し直しました。それが2浪目の夏頃でしたね。

自分の目標を改めて考えたことで、起業家になろうという気持ちが芽生えたのでしょうか。

そうです。それまでは大学合格がゴールだったので、入学してから何をしたいか考えてみても、全然思いつかなくて。仕事をするということから因数分解のように考えていくと、そもそも「仕事って、なんでするんだっけ?」と思ったり、一般的な就職に違和感を抱いたりしたんです。

好きなことを仕事にしよう」ってよく聞くじゃないですか。私もそうできたらいいなと思って。私が好きなことはサプライズ。メンバーを集めてみんなでやりたい。そう考えていたときに、たまたま起業家を題材にしたテレビ番組を見て、「私がやりたいことって、起業じゃん!」と思ったんです。

私自身が考えていたことと、テレビ番組を見て感じたことが、パズルのピースのようにはまった感覚でした。

大学入学後は、起業の夢に向けて活動を始められたんですか?

はい。当時は、「私は起業するんだ!」と決めてはいたものの、そもそも起業がどういうものなのか、何から始めればいいのか分からなかったので、とりあえず学生起業家と呼ばれる人たちが参加しているイベントに参加してみたり、いいなと思った起業家にTwitterでご連絡してみたりしました。

大学1年生の頃、今では「師匠」と呼びよく相談に乗っていただいている起業家の先輩と出会いました。当時イベントで見た彼のピッチにものすごく刺激を受けて。彼はいきいきと楽しそうに話していて、キラキラして見えたんです。「私もこんな風に仕事したい、起業したい」と感じました。

当時、私のTwitterはまだフォロワー1人、フォロー2人くらいだったのですが、イベントが終わってすぐ彼に長文のメッセージを送ったところ、返事をくれたんです。起業家としっかり連絡を取ったのはそれが初めてでした。師匠との出会いがきっかけで、どんどん起業に向けて行動するようになりました

尊敬する起業家との出会いが刺激になったんですね。起業に向けて、それ以外にはどんな活動をしていましたか?

主に、長期インターンを複数経験しました。

長期インターン先で

まず、白潟総合研究所株式会社で、ライターとしてインターンをさせていただきました。もっと違う仕事も経験してみたいと思っていたときに、尊敬している女性起業家の方がSNS上でインターンを募集しているのを偶然見かけて。すぐに連絡したところ、彼女が起業された株式会社KOHAKUでインターンをさせていただけることに。

その後、起業家輩出支援事業を展開する株式会社ガイアックスの「スタートアップスタジオ」にインターン生として参画させていただき、たくさんの起業家の事業内容の壁打ちや、投資先を探す仕事をさせていただきました。

しばらく経験を積む中で、私自身がメインの壁打ち担当になることに。たくさんの事業案に触れる中で、事業立ち上げの知識やフローの理解は持っていましたが、私自身は事業をやったことがなく、「知識だけ持っていても仕方ない」、「自分でも事業をやってみよう」と思ったんです。

ちょうどその頃、JOBS CAMPにも参加していました。ガイアックスでの仕事の中で、JOBS CAMP卒業生に出会い、「ジョブキャン、めっちゃ面白いよ」と聞いたんです。その話でJOBS CAMPを初めて知り、すぐに応募しました。

起業はチーム戦。JOBS CAMPで得られたものとは

JOBS CAMPを知ってから、なぜ応募しようと思われたんですか?

私自身、自分で事業を作ってみようと思っていたので、同じような起業家志望の人たちや熱量を持っている人たちと、友達になりたかったからです。同じところを目指す仲間に出会えたらいいなと思って応募しました。

JOBS CAMPに参加する中で、印象に残っていることを教えてください。

たくさんあるのですが、一番印象に残っているのは、「起業や仕事ってチーム戦なんだ」と実感したことです。

JOBS CAMP参加者で編成される小チームごとに、制限時間内で新しい事業プランを考えるワークが毎週あったのですが、それに取り組む中で、チームメイトそれぞれに得意な分野や立ち回り方があり、役割分担の重要性を感じました。

仲間をたくさん集めてくる、いつも軸をぶらさずに構えているなどの得意な部分を活かして、「私はやっぱり旗振り役になりたい」と改めて思えるようになったことが、一番の変化だったと思います。

改めて生塩さん自身が起業することを意識されたんですね。JOBS CAMP参加当初の、「起業を目指す仲間に出会いたい」という目標は達成されましたか?

もちろんです。それまでは、私が尊敬する起業家に声をかけるなど、ある意味私より上の立場にいる人たちを見ていたので、同じ立場で頑張る仲間ができたことはすごく新鮮でした。JOBS CAMPのプログラムが終わって約1年半が経った現在でも交流がある人が多く、起業に挑戦する上でとても心強いです。

実は、JOBS CAMPに参加したとき、「私なんか」と思っていたんです。「私なんか、何の経歴も得意分野もないし、他の参加者から学ばせてもらうことしかできない」って。

でも、プログラムが終わったあとに同じチームのメンバーと話していたときに「え、それは全然違うよ。生塩さんのすごいところも、リスペクトしているところもめっちゃあるよ」ってみんながお世辞ではなく本気で言ってくれたことで自信がつき、仲間の大事さを痛感しました

JOBS CAMPのチームメンバーと

チームの中に、「自分の不得意なこともあるけど、それをお互いにシェアしあって、乗り越えていこう」という雰囲気があって。周りに、私と同じようにもがいて頑張っている仲間、いつも前を向いて走り続けようとする仲間がいて、みんながみんなのことをリスペクトしている。

そんな仲間に出会えて、本当にJOBS CAMPに参加してよかったと思っています。

短期間で濃いつながりができたんですね!JOBS CAMPに参加してから現在の事業立ち上げまで、2年ほどの期間があったと思いますが、その間はどんなことをされていましたか?

起業といっても、スタートアップ、スモールビジネスなどさまざまなスタイルがあると思いますが、JOBS CAMPに参加したことで「私はやっぱりスタートアップが好きだ」と実感したんです。

また、地域や観光を盛り上げたいという思いや、そのためのモノの移動への興味を持ち始めていたので、 電動マイクロモビリティのシェアリングサービスを提供する株式会社Luupでインターンをさせていただくことに。

私が実際に会社を立ち上げるとき、どんな動きをしたらいいのか、どんな目線を持つべきか、どんな組織体制にしたらいいのかなどを学びたいと考え、それまで経験したインターンよりも、しっかり的を絞ってスタートアップ起業を意識して仕事をしていましたね。

挑戦に必要なピースが揃った。仲間とともに起業の道へ

なるほど。実際に事業立ち上げに踏み切ったきっかけは何かありましたか?

まずは、「もう4年生じゃん。もう大学卒業じゃん」と思ったこと。大学1年生の頃から起業したいと思っていたのに、まだ起業に直接つながることは何もしていなくて。「正直、逃げていただけじゃん」と焦りを覚えたことです。

もう一つのきっかけとして、一緒に起業したいと思える相棒に出会ったことがすごく大きな出来事でした。私が起業するという夢をずっと持っていながらも実現できていなかった理由は、「この人には迷惑をかけてもいいんだ」と思える相棒に、それまで出会えていなかったことだと思ったんです。

JOBS CAMPのチームメンバーはみんな、お互いをリスペクトし合い、何か意見を言うとすごくチアアップしてくれて、ワークはいつもうまくいっていたのですが、終わった後にみんなで「心理的安全性があったからこそ、うまくやれたよね」と振り返っていて。そんな心理的安全性を感じられるような仲間が、私には必要だったんだと気づかされました。

その相棒が現れたことで、「挑戦する準備が整った」と感じました。

やはり、生塩さんにとっては、仲間の存在は大切だったんですね。その相棒さんとはどこで出会ったんでしょうか?

鳥取砂丘で、お互い旅行中に出会いました。私の一歳上の同世代で、サンドボードというアクティビティをしたときにすごく気が合って仲良くなりました。住んでいる場所は離れているけど何でも言える、新しいタイプの親友のような存在で、「相棒」という呼び方が一番しっくりきますね。

生塩さんと相棒さん

起業家やビジネスに興味がある人ではなく、旅先で出会った人が起業の相棒になるというのが面白いですね。

そうなんですよね!すごく面白いですし、だからこそ相棒から新しい視点を得られると感じています。それこそ、JOBS CAMPで学んだ役割分担の重要性を、実際に起業するにあたって改めて感じています。私が代表で、相棒が副代表という形でやっていきたいんです。

私はささいなことや誰かの感情の変化に気づくことより、外側に「こんなことしたいです!」と発信して広告塔みたいに立ち回る方が向いていて、とにかく前に突き進んでいくタイプです。

一方で相棒は、中身を細かく見ることが得意で、ささいな変化に気づいたり、チーム戦をうまく進めたり、戦略を練ったりできるタイプ。私たちの事業をあらゆる角度から俯瞰し、必要であればブレーキの役割を果たしてくれるので、助かっています。お互いがそれぞれの役割を果たしつつ、お互いを補いつつ、一緒にやっていきたいと思っています。

相性がばっちりなんですね。今後の起業活動の展望を教えてください。

実は、ちょうど今月、会社を登記したばかりです。現在は先ほどお話したような外国人観光客向けのサービスを立ち上げ中で、最初の試作版のリリースまではスタートアップ補助金などを活用しようと思っていますが、2024年の春あたりにはβ版をリリースし、資金調達もして動いていきたいと考えています。

最後に、起業したい学生や何か挑戦したい学生、未来のJOBS CAMPの後輩に向けてメッセージをお願いします!

「後輩」という呼び方はあまりしっくりこなくて……私にとっては「仲間」ですね。仲間向けに伝えるのであれば、仲間や環境はすごく大事だということ。

常に「ちょっと緊張するな」と感じるような環境に身を置くことで、私も少しずつ変化できたと思っています。また、切磋琢磨し、励まし合いながらお互い成長できる仲間と初めて出会えたのがJOBS CAMPでした。

JOBS CAMPの同期たちと

JOBS CAMPは、「ちょっと私にはまだ敷居が高いかも……」と思いつつ参加してみて、もちろん最初はすごく緊張したけれど、「やっぱり参加してよかった」と心から思えた場所です。今は自分に自信がないと思っている人も、とりあえず飛び込んでみてください!

生塩さんのSNS

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インタビュアー / ライター

  • 伊藤 真莉Mari Ito

    株式会社Beyond Cafe マーケター

    1998年1月、横浜生まれ。東京大学在学中、ライバー・タレント活動、ミスコン出場、インフルエンサーと共同で事業立ち上げ、スタートアップ起業など、やりたいと思ったこと全てに挑戦。2020年、大学を中退して旅行系のITベンチャーに入社。コンテンツマーケティング全般を担当し、2021年、旅をしながら働けるようになるために退職し、フリーランスに転身。2022年6月から1年間でパートナーと世界一周を達成し、マーケター、ライターなどとして働く傍らYouTuberとしても活動。自分らしく生きる人を増やしたい。旅と宿とヨガが好き。

    Twitter: @itomari_81

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BEYOND CAFE

企業情報

会社名 株式会社Beyond Cafe
代表取締役社長 伊藤朗誠
設立年月 2016年9月
所在地 〒107-0062 東京都港区南青山 4-8-21 FETOマンション 1階 B号室