母と祖母を幸せにしたい。「僕は大物になる」と信じて育った少年・加治木基洋が、学生起業家として親孝行のサービスを立ち上げるまでーーJOBS CAMP卒業生インタビュー #9
Interview 2023/07/19
U23若手起業家育成プログラム「JOBS CAMP」卒業生インタビュー第9弾!
今回のゲストは、加治木基洋さん。「親孝行で後悔する人がいない世界を実現する」というビジョンを掲げ、株式会社Pietyを創業。子から親に向けたビデオレターギフト作成サービス「KAHOU」を2023年4月にリリースしました。
生まれ育った環境から、「僕は大物になるんだ」と漠然と思い続けてきたという加治木さん。幼少期の将来の夢は「ロケットになること」。成長するにつれ「大統領」、そして「起業家」へと夢は変化していきました。
起業のテーマを探し、さまざまな事業の立ち上げにトライする日々。あれでもない、これでもないと1年間ほど試行錯誤した結果、たどり着いたテーマは「親孝行」。その背景には、「厳しい環境の中でも愛情を注いで育ててくれた母や祖母を幸せにしたい」という強い思いがありました。
起業家として行動を重ね続ける加治木さんが大切にしている人生の軸とは。創業・サービス立ち上げまでのストーリーを伺いました。
U23若手起業家育成プログラム『JOBS CAMP』とは
パーソナルキャリアデザインサービス『BEYOND CAFE』を運営し、累計6万人の学生をサポートする株式会社Beyond Cafeと株式会社サイバーエージェント・キャピタルが2020年8月に立ち上げた若手起業家育成プログラム。
未来の日本を牽引する起業家を輩出するために、U23の学生を対象にU30の若手起業家がメンターとなり、2ヶ月間のワークショップを行います。
▼過去メンター(※一部抜粋)
株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺さん
株式会社POL 代表取締役 加茂倫明さん
株式会社MiL 代表取締役CEO 杉岡侑也さん
▼第7期生募集中!
募集期間:2023年7月4日(火)〜2023年8月11日(金)
開催期間:2023年8月30日(水)〜2023年10月28日(土)
※スケジュールは予告なく変更となる場合がございます
※応募多数につき予定を繰り上げて応募〆切とさせていただく場合がございます
※エントリーは下記公式サイトから
これまでの経歴を含め、自己紹介をお願いします。
2001年10月、広島県広島市生まれ。株式会社Piety代表の加治木基洋と申します。
地元で小中高時代を過ごし、2020年、大学入学と同時に上京。当時はちょうどコロナ禍が始まった頃で、未曾有の事態に大学側の対応や情報が錯綜していました。そのため、入学して最初の半年間、実際は授業が始まっていたのですが、僕はまだ大学の授業が始まっていないと思い込んでいたんです。
時間を持て余していたので、YouTubeや本からさまざまな知識をインプットする中で、ビジネスや起業というものに出会いました。起業に興味を持ち、実際にたくさんの起業家に話を聞きに行く中で、起業家への憧れやスタートアップ立ち上げに挑戦したい気持ちが大きくなり、起業を決意。
個人でいくつか事業立ち上げに挑戦したり、長期インターンをやってみたりする中で、何のテーマで起業するのかを1年ほど模索していました。最終的に「親孝行」の事業をやろうと起業のテーマが決まったので、2022年9月に株式会社Pietyを創業、2023年4月に「KAHOU」というサービスをリリースしました。
将来の夢は、ロケット、大統領、そして起業家
起業家になりたいという思いが先にあって、起業のテーマ選びは後からだったということですが、どのような経緯で起業家になろうと思ったのでしょうか?
実は僕、「僕は大物になるんだ」と、物心ついた頃から漠然と思いながら生きてきたんです。
というのも、母が僕と双子の妹の名付けにものすごくこだわったそうで。母自身の名前は、画数や字の意味、音などから行う姓名判断によると、すごく悪いものなんだそうです。母は人生の中で多くの苦労をしてきたこともあり、自分自身の名前にコンプレックスを抱えていました。だからこそ、僕と妹には姓名判断の観点で最高にいい名前をつけようとこだわっていたそうです。
だからこそ、生まれた頃からずっと「名前がいいから、あなたは成功する」、「あなたはたくさんの人を幸せにするのよ」と言われて育ってきました。「羽生結弦と同じ星のもとに生まれたのよ」というようなことも言われましたね(笑)。併せて、「ただ、努力だけは怠ってはいけない」とも言われていました。
常日頃からそう言い聞かされてきたので、漠然と「僕は大物になるんだな、そのためには頑張らないといけないな」と思って過ごしてきました。そのため、小中高では目の前の勉強や部活を頑張り、東京の大学に進学。
その後、コロナ禍の在宅待機期間にYouTubeや本を通してビジネスや起業について学ぶ中で、起業家を志すようになりました。
起業への道のりは、ある意味生まれた頃から始まっていたんですね。
そう言えますね。大学に入るまでは、ビジネスの「ビ」の字も知らないくらい、起業どころか世間のことを全然知らなくて。実はずっと総理大臣を目指していたんです。厳密に言うと、総理大臣ではなく大統領でしたね。アメリカの大統領になりたかったわけでは全くなく、単に総理大臣と大統領の違いすら知らなかっただけです(笑)。
小学生の頃はもっと突拍子もないというか、「あなたは大物になる」と言われて育つ中で、「将来はロケットになる!」と言っていましたね。
ロケット(笑)!?
そうです。乗る側の人間ではなく、あくまでもロケット、乗せる側です。成長する中で「どうやらロケットにはなれないらしい」と判明したので、「だったら国の代表になろうかな」くらいの軽い気持ちで、当時の僕は国の代表といえば大統領しか知らなかったので、大統領になることが次の夢になりました。
大統領になるためには、とりあえず「政治家にならなきゃ」、「日本の中心に行かないと」と思って、東京の大学に行くことにしました。上京するタイミングでは、もはや政治家になろうとは思っていなかったのですが、「大物になろう、なりたい、ならなきゃ」といった焦りはずっとありました。さらに、コロナ禍に入って良くも悪くも暇だったので、いろんなインプットをすることにしたんです。
まずはビジネス系のYouTuberがおすすめしていた本や自己啓発本をまとめて買って読んでみたり、ビル・ゲイツなどの成功者の生活習慣をコピーしてみたり。その中で、「起業家ってこういう人のことなんだ」というように、起業というものの解像度が上がり、興味を持ちました。
きっかけなんてない。自分が「やるかどうか決める」だけ
起業への興味が高まる中で、実際に起業することを決意するに至ったきっかけはなんだったのでしょうか。
これも、特段これといった決定的な出来事があったわけではないですね。自分でいくつか事業をやってみたり、いろんな起業家の方や投資家の方に話を聞く中で決意しました。
あえて挙げるとすれば2つ。まずは、今もお世話になっている株式会社Another Wroks代表の大林さんとの出会いですね。何度も壁打ちをさせていただき、起業とはどういうものかや僕自身が掲げるビジョンについて、深掘りできました。その中で起業する意思も強くなっていきました。
2つ目は、多くのスタートアップ投資家の方に壁打ちさせていただく際、「起業家として成長するにはどうしたらいいか」といったことも聞いていました。すると、「起業家として成長したいなら、起業した方がいいよ」と言われたことです。起業は不確実性が高く、やってみてもわからないことだらけ。だから、なおさら実際にやってみないとわからないと思います。
いろいろな方とお話する中で、徐々に決意ができていったんですね。
そうですね。2つ挙げましたが、正直、きっかけというものはないかなと思っています。
自戒も込めて話すと、必要なのは、きっかけではなく「覚悟」なんです。何事も、きっかけがあるからやるのではなく、「やるかどうか決める」だけだと思うんですよ。覚悟とは、他の選択肢を捨てることでもあるので、すごく難しいことではあるんですけど。
きっかけを待たないとできないなら、いつまでもできないと思います。やるかどうか決めるだけ。それに気づけたことが、起業の覚悟ができたきっかけといえば、そうかもしれません。
やるかどうか決めるだけ。刺さりますね。創業前もいろいろな事業に挑戦されたそうですが、具体的にはどのようなことをされていたんですか?
インプットしたことのアウトプットや、起業のテーマ探しのために、合計3つの事業を立ち上げました。
最初に始めたのは、動画編集のWebスクール事業です。コロナ禍に入ってリモートワークが一般的になり、副業やフリーランスなど新しい働き方への注目が高まっていたタイミングでした。
たまたま動画撮影・編集ができる人と知り合い、一緒に立ち上げました。しかし実際にやってみると、あまり社会的意義を感じられず、「これをやるのは僕じゃなくてもいい」と感じたので、僕は事業から抜けました。
次に始めたのは、シェアハウスの事業でした。僕は「挑戦こそ、人が幸せになるための第一歩」だと思っています。当時、どうしたら人は挑戦できるのか考えたときに、機会や環境がすごく大事だという答えにたどり着いたので、何かに挑戦している人や挑戦したい人たちが一緒に暮らし、切磋琢磨できる場所があればいいなと思ってシェアハウスをつくりました。
最後はイベント事業ですね。学生起業家や今後起業したい人が、経営者の方と交流できるイベントを主催していました。これは比較的長く続き、2021年は何度も開催しました。株式会社Another works代表の大林さんと出会ったのはこのタイミングでしたね。僕がイベントにゲストとしてご招待させていただきました。
母と祖母に幸せになってほしい
「挑戦こそ、人が幸せになるための第一歩」という言葉が気になったのですが、どうしてそう考えるようになったのでしょうか。
これは僕の人生の軸のひとつですね。
発端は、大学受験をやめようと思ったことです。受験勉強をしていて、幸せではないなと思ったんです。このまま大学にいくことが僕の幸せなのか考えてみたら、当時の僕自身の答えは「NO」でした。
そこで、受験勉強をやめることにしました。やめて半年間ほど、ずっと自分の幸せについて考えました。その結果、僕にとって一番の幸せとは、「僕自身の力で、僕の大切な人をとにかく幸せにしてあげられること」だと思ったんです。大切な人とは、具体的には母と祖母です。
「じゃあ、母や祖母の幸せを最大化するには?」と考えてみると、同じように彼女たちの周りの大切な人が幸せになることが必要だと思ったんです。「じゃあ、その周りの大切な人たちが幸せになるには?」と永遠にこの問いを続けていくと、「あ、僕自身が幸せになるためには、全人類を幸せにする必要があるんだ」と気づきました。
全人類を幸せにするにはどうしたらいいのか考えましたが、結局「幸せ」の定義は人それぞれですよね。でも、僕が一人ひとりにそれぞれの幸せを提供しようと思っても、それは難しい。「じゃあ、全人類共通の幸せってなんだろう?」と考えたときに、僕の中で2つの答えにたどり着きました。それが「自己実現」と「他者貢献」です。
心理学の有名な「マズローの欲求5段階説」でも、自己実現欲求は人間の欲求の最終段階に位置付けられています。人は誰しも、何かしら「なりたい自分像」のようなものを持っていると思いますし、それを実現する過程や結果で幸せを感じます。
参考:やさびと心理学「マズローの欲求5段階説とは?自己実現理論を階層ごとに分けて簡単に説明」
他者貢献は、自己実現の先にある幸せの形だと思っています。人に何かして感謝されることは、誰にとっても嬉しいですよね。
自己実現と他者貢献によって幸せを最大化するためには、まずは自己実現が必要。どうしたら自己実現できるのか考えると、必要なことは挑戦の繰り返しだと思ったのです。
なるほど。
自己実現するために何かに挑戦しようと思ったら、情報が十分になかったり不安だったりする中で、リスクを取りつつも一歩を踏み出すことが必要ですよね。
一歩目さえ踏み出して少し進んでしまえば、仲間ができたり、自分なりに成功体験を掴んだり、それによって自信がついたりして、あとは自然とうまく回っていくと思います。だからこそ、挑戦においては一歩目が何より大切だと思うんです。
でも、大人になるにつれて、挑戦したい気持ちに蓋をしてしまう人も多いのが現実。だからこそ僕は、挑戦の一歩目の支援をしたい。それによって自己実現できる人が一人、二人と増えれば、自己実現した人が次の挑戦者の背中を押してあげよう、手伝おうと他者貢献をし、さらに自己実現できる人が増え、他者貢献の連鎖が生まれていく……。
その連鎖の先に、僕の母や祖母の自己実現や幸せがあって、その先に僕の幸せがある。そう思うからこそ、「挑戦する機会と勇気を人に与えて、たくさんの挑戦者を増やしたい」ということが僕の人生の軸のひとつになっています。
家族の幸せと全人類の幸せ、遠そうに見えるものが実はつながっているという考え方が新鮮です。「母と祖母を幸せにしたい」という思いが根底にあるからこそ、最終的に親孝行というテーマで起業することにされたのでしょうか。
そうですね。とにかく母と祖母への感謝、恩返しをしたい、幸せにしたいという思いが強いです。
特に母に対しては、強くそう思います。母は誰よりも早く仕事に行き、誰よりも遅く帰ってきて、僕たちの世話もしてくれて、反抗期があったとしても変わらず愛し続けてくれて。
一方で、母自身が心から幸せを感じているように見えたことはないんです。母の人生はつらい出来事が多く、ずっとネガティブに囚われているというか、心のどこかで自分の人生を諦めてしまっているというか。
本当に感謝しているんですけど、その母自身が浮かない人生を歩むことが、僕は許せないんです。「今本当に幸せ」や「生きててよかった」と思ってほしい、母自身の人生を肯定してほしいということを、強く思ってきました。恥ずかしいので面と向かって言ったことはないんですが。
そんな思いを持ちつつも、特に具体的な行動はできていませんでしたが、ある日突然、友人の親御さんが亡くなってしまうという出来事があったんです。その友人は親孝行ができなかったことを強く悔いていました。
そのとき、「このままだと、僕も後悔するじゃん」と、全く他人事ではないと感じましたし、「親孝行といっても、何をすればいいかわからない」や「親孝行はハードルが高かったり、後回しになったりしがち」といった課題にも気づきました。
もともと、起業のテーマを探す中で、「それに人生をかけられるか」ということが大事な軸としてありました。この経験から、「親孝行なら、人生をかけて事業ができる」と思い、起業に踏み切ることができました。
ご家族を幸せにしたいという思いが起業につながっている一方で、大学受験をやめようとしたこと、休学して起業をすることなど、いわゆる「レールから外れる」選択に対して、ご家族からはどんな反応があったのでしょうか。
親孝行の事業をやっていながら言いづらいことではあるんですが、すごく心配や迷惑をかけました。それはもう強く反対されましたね。
特に祖母からは、「大学はどうしても行ってほしい、卒業までしてほしい」と泣いて言われました。大学受験前、一時期祖母の家で暮らしていたのですが、祖母自身も経営者で忙しい中、母と変わらないように僕の世話をしてくれたんです。だから祖母にも感謝しているし、迷惑をかけたとも思っています。
大学に行ってほしいと泣かれたとき、当時の僕はまだそれを否定できるだけの自分の中の強い意志がなく、「大学に行かず、じゃあ何をするのか」ということにも答えられない状態だったので、とりあえず大学受験の勉強を再開し、合格したところに行きました。
起業するときも、反対の嵐でした。実家は田舎にあるため、起業やビジネスについて良く知らない人がほとんど。怪しいとも思われがちで、止められましたし、就職しなくていいのかと心配もされました。ただ、起業に関しては僕の中でもやる理由が明確で、覚悟もあったので、2年間くらい頭を下げ続けましたね。
ご縁があって、朝のニュースに出演させていただく機会などもあり、家族には少しずつ「大丈夫そうなのかな」と思ってもらえるようになったかなと思っています。まだ心配や心残りはありつつ、今は応援もしてくれています。
誰よりも行動して、ひとつのチャンスを最大化する
JOBS CAMPには、創業後、サービスをリリースするまでの期間に参加されていたと思います。そもそも、JOBS CAMPはどこで知ったんですか?
僕は6期に参加したのですが、5期に同じ法政大学の方が参加されていました。その先輩と面識はなかったのですが、TwitterのDMで「同じ大学で、君もいろいろ頑張っているみたいだから、ぜひ参加してみて」というようなメッセージをいただいたのが最初です。
なぜJOBS CAMPに参加しようと思ったのでしょうか。
正直に言うと、ワークショップ講師の起業家たちとのつながりを作りたかったのが一番の理由です。ちょうど資金調達をしよう、エンジェル投資家の方に投資してもらおうと動いていたときだったので、JOBS CAMPの過去の講師の顔ぶれを見たときに、僕の事業とも相性が良さそうだと感じ、ぜひ応援してほしいと思いました。
もうひとつは、面白くて優秀な同世代の仲間と出会えそうだと思ったこと。何人かの卒業生の方に話を聞いてみて、みんなすごくレベルが高いなと感じたんです。この中から本当に上場企業が出てきても全くおかしくないと思いましたし、ポテンシャルのある方が多い印象を受けました。その出会いは僕自身にとっても財産になるだろうと思いましたね。
最初はとにかく彼らのすごさに圧倒されていたんですが、仲良くなって飲み会などもする中で、親しみやすい部分もあるんだなと思うようになりました。
JOBS CAMPに参加して、印象に残っていることや起業に活きたことはありますか?
講義が良かったのはもちろんなのですが、講師の方全員に自分から声をかけ、個別でも事業の相談ができたことです。ちょうどサービスのリリースに向けて動いていたタイミングだったので、相談できる機会があったのは本当に良かったですね。
講師の起業家がまた別の起業家の先輩につないでくださったり、同じ6期の参加者やカルロスさん(※JOBS CAMPの運営会社であるBeyond Cafeの代表)にも、いろいろな人を紹介していただきました。
同期のみんなはすごく面白いチャレンジャーばかりで、本当にいい出会いだったと思っています。一緒にBBQをしたり、事業の相談をし合ったり、友達としても切磋琢磨する仲としても関係が続いています。JOBS CAMPの同期のみんなは、僕のサービスのターゲット層でもあるので、相談していろいろ指摘してもらえることもありがたいです。
起業する際もJOBS CAMPの参加中も、いろんな人に話を聞きに行くなど、その行動量が印象的ですが、迷ったり後ろ向きになったりしたことはなかったのでしょうか。
たくさんあります。
親孝行のテーマで起業すると決めたものの、「本当に僕はこれに命をかけられるのか?」と改めて自問自答した時期もありましたし、創業からリリースまでの半年間は、まだ何もしていないという感覚がすごくつらかったです。
そんな時期も進み続ける中で、やはり覚悟が深くなっていったというか。僕自身が迷ったり他人から否定されたりしても、自分の人生だから自分で決めるしかないという覚悟が、本当に深く深く、傷と共に僕の中に刻まれていった感覚です。
最終的に行き着いたのは、僕の人生には僕しか責任が負えないということ。家族に反対されたときも、彼らはいろいろな反対意見を僕に言う一方で、僕の人生の責任を取れるわけではありません。じゃあ僕自身がやりたいことをやるしかない、と。
たくさんの起業家の方や投資家の方にアドバイスをいただいても、三者三様の意見があり、正反対のことを言われることもあるので、何を信じればいいかわからなくなることがありました。でもこれも、結局は僕の事業、僕の人生なので、僕が決めるしかないんですよね。他人がその選択や決断に責任を取れるわけではないので。
そんな中で、だんだんと覚悟が深くなり、つらい時期を乗り越えてきました。
やはり、加治木さんにとって「覚悟」が大切なんですね。今はサービスをリリースして3ヶ月ほどですが、今後の事業の展望を教えてください。
長期的な展望は、2030年に東証グロース市場に上場、2032年にプライム市場に上場すること。正直、上場はあくまでも手段なので変わる可能性はありますが、最終的に目指しているのは、「親孝行で後悔する人がいない世界の実現」です。
このビジョンの実現のために、「親孝行をもっと日常に」というミッションを掲げています。親や家族の大切さを感じられるきっかけ、このままだと後悔するかもしれないという危機感を持つきっかけ、そして実際に親孝行を実行するきっかけを、もっと日常に浸透させていけるようなサービス運営を一貫してやっていきます。
起業に興味がある学生や何かに挑戦したい学生など、未来の後輩へのメッセージをお願いします!
僕自身がまだ成功しているわけではないので、あまりいいことは言えないのですが……(笑)。
僕の経験から言えることは、「起業したいと思うなら、起業しよう」ということですね。起業家を目指すなら、今から起業するのが最短ルートです。
JOBS CAMPは、起業したい人にはぜひ参加してほしいです。参加して思ったことのひとつに、「目の前のチャンスを自分自身がどれだけチャンスだと捉えられて、掴みにいけるかが大事」ということがあります。
例えばJOBS CAMPの講師や同期1人がいたとき、その1人だけではなく、その人とつながっている100人、背景にいる100人というところまでチャンスとして捉えられると、すごく意味のあるものになると思うんです。だからJOBS CAMPに参加すること自体も、参加した後も、一つひとつのチャンスからどんどん世界を広げていってほしいと思います。
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